漁師のひと手間と技術から生まれる、美しい霜降り魚
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● What is 長崎県のごんあじ?
三方を海で囲まれ入り組んだ海岸の向こうに複雑な岩礁が姿を見せ速い潮の流れを生み出す長崎の海では、全国の食通を唸らせる様々なブランドあじが水揚げされる。例えば、そのひとつであるごんあじは、五(ご)島灘に生息することと美しい黄金(ごん)色に輝いていることが名前の由来。地元で愛されてブランド化したことがうかがえる。
▲ごんあじがおいしい理由を教えてくれた松下さん
●ごんあじを全国に出荷する松下さんに聞いたおいしい理由
ごんあじのおいしさの秘密は、地元の漁師が魚にかけるひと手間だという。大きな網でダイナミックに水揚げされた後、海の生簀で約10日間じっくり活かし込むことで漁獲でストレスを受けたあじを健康な状態に戻す。養殖と異なるのは、その間餌を与えないこと。そうすることで、自分自身のからだに蓄えた脂を使い、全身に脂がのり牛肉でいう霜降りの様な状態になるという。
●神経抜きを行い瞬時に絶命させる技術
五島灘には良質な餌のプランクトンや小魚が豊富。おいしいものを食べて育つため脂のノリが違う。そのおいしさを保つために行うのが「活〆」という締め方。瞬時に細い針金のような棒を1点に差し込み神経抜きを行うとともに、エラ部分に包丁をいれ血抜きを行う。5秒ほどで魚を〆る職人技のおかげで、暴れる前に絶命するため肉質がよく身の間に血がまわらないのだ。
取材先:長崎市三重町 長崎市新三重漁業協同組合 松下さん