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靏田料理長〈和食×塩〉

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おでん・焼とん 大坂おでん  焼とん  久
料理長 靏田 武俊氏

大坂おでん  焼とん  久  料理長 靏田 武俊氏

●“塩振り3年”といわれるほど、鍛錬が必要な和食の世界
昔から“塩振り3年”といって、板場に入るまでに塩の振り方を厳しく教えられたという靏田料理長。指の間から塩を振る技で、魚などの味付けや下処理をするという。魚の臭みを抑え、旨みを増すために、魚の種類や大きさなどによって“良い塩梅(あんばい)”に塩加減を調整するのだ。脂が少ない白身の魚は短めに、脂の多い青背の魚は長めに寝かせるそう。「和食は出汁の文化。素材や醤油、味噌が持つ塩気も見抜いて調理しなければ」と細心の注意を払っている。

ほんの少しの塩を上手に使えば、もっとおいしく仕上がる
和食の塩の使い方には家庭料理に取り入れやすいものも多い。たとえば根菜類を下ゆでするときに少量の塩を入れると、芯まで上手に炊き上がるという。とくに大根を柔らかく炊き上げたいときなど、あえて糠を使わず塩を使えば早くきれいに仕上がるそう。数の子の塩抜きなら、濃度の薄い塩水に漬けた方が塩気は抜けやすい。お吸い物の仕上げに一粒、二粒の塩を入れても旨みが違うというから早速試してみてはどうだろう。

●Chefs talk salt
天日塩の味の違いに驚くばかりで、どの塩も仕上げの塩として素晴らしい素材。『土佐の塩丸』はまろやかな味わいで、不思議と海水の味わいも違ったように思う。また『土佐の海の天日塩 あまみ』は甘みや苦みのバランスが良く、旨み成分がないのに旨みが感じられた。火入れを一切せず少し湿り気のある天日塩も粒の大きさによっては振りやすいものが多く、塩職人の努力の賜物といえる。塩と海鮮の相性の良さを実感できた高知の視察だった。