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チョコレートと考える、つながることで生まれる価値

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●“産地”と“作り手”と“私たち”をつなぐ
FARM to BAR & BEAN to BAR

製造者がカカオ豆の産地や品質を追求した“BEAN to BAR”スタイルから生まれるチョコレート。厳選したカカオ豆を最大限生かし、作り手の想いを一枚のチョコレートに込めるために今、そのひとつ先である“FARM(農園)”へ赴き、生産者とともに歩むチョコレートづくり“FARM to BAR”が注目され始めている。
FARM to BAR & BEAN to BAR

栽培…カカオの木は直射日光と乾燥した土壌を嫌うので、カカオ農園では葉が茂る大木の間にカカオの木を混ぜて植えるという。
収穫…収穫したカカオポッドは一つに集められ、ナタで割り中のカカオパルプを取り出す。約30㎝もの大きさの楕円形をしたカカオポッドの中にはカカオ豆が40~60粒ほど詰まっている。
発酵…取り出したカカオパルプは木箱やバナナの皮で覆って1週間ほど発酵させる。その発酵熱は50度近くにもなる。この熱で種が死に化学反応が起きる。
乾燥…発酵が終わったカカオ豆は棚やパティオと呼ばれる広場などに広げて天日乾燥させる。雨が多い地域ではコンクリートの炉に薪をくべて乾燥させることも。
出荷…乾燥が終わったカカオ豆は麻袋に詰められ、出荷される。
選別…各国から届いた豆をクリーニングして異物を取り除く。
焙焼…発酵でできた味と香りの前駆体をローストでうまく引き出す、味の決め手になる作業。コーヒーのローストに比べ、カカオのローストは100~150℃と低い。
皮を取り除く(カカオニブ)…カカオ豆を機械で砕いて皮を取り除く。取り出したカカオニブとはカカオ豆の胚乳の部分。
すりつぶす(カカオマス)…カカオニブをすり潰しペースト状にしたものをカカオマスという。カカオニブは約50%がココアバターとよばれる脂肪分のため、潰すことでペースト状になる。

【豆知識】ココアパウダーとは…ココアもチョコレートもカカオ豆から出来る。ココアパウダーはカカオマスに圧力を加えて脂肪分(ココアバター)を一部除き、残った塊を粉末状にしたものである。
混ぜる(ミキシング)…カカオマスのみではおいしくないので、砂糖や粉乳などを混ぜ合わせ味を調える。
【豆知識】ココアバター…ココアバターは、カカオ豆にふくまれている脂肪分のこと。25℃ぐらいからとけ始め、体温より低い32℃ぐらいで完全にとける。チョコレートの口どけや香りの広がりはココアバターの働きのおかげなのだ。
温度調整(テンパリング)…ミキシングした後、なめらかに精錬したチョコレートを理想の結晶に冷やしながら整える。これにより美しい艶も生まれる。食感など出来上がりに大きな影響を与える工程。
【豆知識】手づくりチョコレートで失敗しやすいのが、固める前の温度調整。正しい温度調整でつくられたものはきちんと固まって劣化しにくく、口どけがよくて艶のあるチョコレートになる。
成形…気泡を取り除きながら型に流し込むなどしてチョコレートの形を作る。

〈FARM to BAR〉
農家と一緒にカカオづくり

カカオ豆は栽培から出荷までを農家による手作業にゆだねられている。しかし栽培や発酵方法も農家ごとに違うため品質差異が重要な課題だった。そこで株式会社明治では2006年より現地の“FARM(農園)”へ赴き、農家の協力を得て土地に合った発酵や乾燥方法を研究。一定条件を導き出し、現地農家に栽培や発酵、乾燥を指導することで品質が向上。農家も安定して豆を出荷でき、収入増となることで、持続可能な農業へと改善しているという。このような取り組みを“FARM to BAR”と呼び、ベネズエラからスタートして今や数カ国で行っている。生産者の人たちとともに作り手の立場から素材を磨き上げることで、『明治 ザ・チョコレート』のような“究極のチョコレートづくり”が可能になるという。

〈BEAN to BAR〉
オリジナルのチョコレートを作る

今、注目されているBEAN to BARとは、その名の通りBEAN=カカオ豆の仕入れからBAR=板チョコ作りまで全ての工程を一つの製造者で行うこと。数年前からアメリカで始まり、全世界へ広がった。カカオの木の栽培からカカオポッドの収穫、発酵、出荷までは農家の手にゆだねられるが、カカオ豆を仕入れてからの工程で特に重要となるのは、味の決め手となる焙焼(ロースト)だという。豆本来の持ち味をそのまま生かした製法で、産地ごとに仕上がりの風味が異なる個性的な味わいのチョコレートが誕生するのだ。

●INTERVIEW-インタビュー
取材協力
株式会社明治 執行役員  大阪工場長  農業博士
古谷野 哲夫氏 (こやの てつお)
古谷野 哲夫氏 (こやの てつお)

カカオ豆に関しては世界十数カ国のカカオ産地を訪問、各国のカカオ栽培・処理状況や品質を調査研究し、現地で指導にも当たっている。共著『カカオとチョコレートのサイエンス・ロマン』(幸書房)などがある。

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