高知県のご飯にあう茄子
●おいしい食べ方とは?
高知県南東部。「JA土佐あき」の名物は「土佐鷹」や「米なす」などのナスと「園芸女性部」。要は農家の奥さまの集まりなのだけど、彼女たちは高知の野菜の魅力を全国に広めるために、その新しくておいしい食べ方を日々研究し、全国各地へ赴いての試食会、レシピはホームページで即公開、という具合に努力を惜しまない。しかも繰り出すレシピが実に秀逸ときた。「なすのたたき」とは「かつおのたたき」をヒントに生まれたオリジナル料理。「かつおのたたき」の“かつお”を“茹でてスライスしたナス”に代え、ミョウガや生姜や大葉などの地元特産の薬味を山と盛って、ポン酢で味わうお酒の肴。なのだけど、ご飯とも好相性。ポイントは焼いた鯵の干物をフレーク状にほぐして薬味同様にトッピングすること。魚のうま味と薬味の香味が混ざり合い、両者をナスが融合させる…。ポン酢の代わりにナンプラーと梅酢で調味すれば、新たな地平が見えてくる。
ー おいしい食べ方の紹介者ー
●小林 淳一
編集者。東京のフリーマガジン「メトロミニッツ」誌の編集長を経て、食材のカルチャー誌「旬がまるごと」をポプラ社より創刊。現在「地方の生産者と都市の生活者の距離を近づける」というコンセプトのもと、食とカルチャーの分野で編集やイベントの企画運営に携わる。好きな食べ物はネギ。ネギをたくさん食べたいので朝食は必ず納豆。