一粒40gもの大きないちごは、地形と気候を存分に活かす知恵から
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● What is 長崎ゆめのか?
2007年に生まれた新品種。大きいものは1粒40g近くあり平均して大粒。艶やかな果皮はとても硬く、食感がしっかりしているうえに、栽培中も傷みにくく、完熟した状態で収穫できるため糖度が高い。甘味のなかにさわやかですっきりとした酸味も感じられる逸品。光沢のある赤色で色ムラがなく果汁をたっぷり含むのも特徴。
▲今回お話を伺った野田さん
●長崎にあったいちごの栽培方法を考える野田さんにきいたおいしい理由
長崎県は平坦地が少なく、傾斜地が多い。長崎を歩くと坂道の多さに驚く人も多いだろう。そんな地形のおかげで、全国各県のなかでも日照時間が長く、さんさんと輝く陽を一気に浴びるのではなくゆっくりとまんべんなく温めるように陽を浴びることができるのだという。じっくりと成熟していくため糖度をたっぷり含んだいちごが生まれる。
● 根の違いを見極め、水の量を加減する
水と温度の管理には特に気が抜けない。太く深いところに根をはるゆめのかには少し控えめに水を、また細い根の多いさちのかにはやや多めの水をやるという。1月頃は寒い気温の中でゆっくりと成熟するため甘味が増す。温かくなると甘くなる前に成熟することが多いので酸味が強くなるという。ヘタから先端にかけて甘味が強くなるので食べる際はヘタから食べるのがおすすめ。
▲左の列がゆめのか、右の列がさちのかの葉。いちごの大きさにあわせて葉の大きさも異なる
▲真っ白な花から真っ赤ないちごが実る
【取材先】長崎県諫早市 長崎県農林技術開発センター 野田さん