農家泣かせのいちごは、プロをも唸らせる
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● What is 長崎さちのか?
2000年に生まれたとよのかとアイベリーを交配させた品種。ポリフェノールをたっぷり含むため色がとても濃く、果肉のキメが細かく、こくを感じさせてくれる。病気に弱いため栽培が難しいうえに小粒なものが多いため、農家泣かせの品種でもあるが、その味はプロをも唸らせる一流のもの。美しい円錐形のいちごが魅せる酸味と甘味のバランスは堪らない。
▲今回お話を伺った野田さん
●長崎にあったいちごの栽培方法を考える野田さんにきいたおいしい理由
長崎県は平坦地が少なく、傾斜地が多い。長崎を歩くと坂道の多さに驚く人も多いだろう。そんな地形のおかげで、全国各県のなかでも日照時間が長く、さんさんと輝く陽を一気に浴びるのではなくゆっくりとまんべんなく温めるように陽を浴びることができるのだという。じっくりと成熟していくため糖度をたっぷり含んだいちごが生まれる。
●根の違いを見極め、水の量を加減する
水と温度の管理には特に気が抜けない。太く深いところに根をはるゆめのかには少し控えめに水を、また細い根の多いさちのかにはやや多めの水をやるという。1月頃は寒い気温の中でゆっくりと成熟するため甘味が増す。温かくなると甘くなる前に成熟することが多いので酸味が強くなるという。ヘタから先端にかけて甘味が強くなるので食べる際はヘタから食べるのがおすすめ。
▲美しい円錐形のものが多い長崎さちのか
▲左の列がゆめのか、右の列がさちのかの葉。いちごの大きさにあわせて葉の大きさも異なる
【取材先】長崎県諫早市 長崎県農林技術開発センター 野田さん