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気候と土壌の合わせ技。沖縄の島野菜が“奇跡の食物”と言われるワケ

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●ヌチグスイを育んだのは、沖縄の厳しい気候と豊かな土壌
同じ品種のゴーヤーでも本土で育てたものより、沖縄で育てた方がミネラル分が多いといわれる(※2)。島野菜に限らず、キャベツやトマトなどの野菜も沖縄で採れたものは味が濃く、おいしいと感じる人も多いのではないだろうか。それは「この島の気候と土壌のおかげ」と徳元さんはいう。亜熱帯に属する沖縄は、年間平均気温は約20度で本土の3倍以上といわれる紫外線、容赦なく襲いかかる台風、冬の北風など厳しい自然と共存してきた土地であり、野菜が育ちやすい環境とはいいがたい。一方、土壌も本土とは大きく異なる。四方を海に囲まれた沖縄の土壌は、太古の珊瑚が風化した礫土や大陸からの海流によって堆積した土壌で、カルシウムや鉄分などのミネラル分がたっぷりだ。「島野菜は過酷な気候のなかで、太くしっかりとその根を張ります。そして、豊かな土壌から吸い上げた養分で、自分の身を守るための抗酸化力を高め、栄養価を蓄えるのです」と徳元さん。人間は、島野菜を食べることで島野菜の免疫力や抗酸化力を分けてもらっているのだ。島野菜とは、沖縄ならではの気候風土が育んだ、まさにヌチグスイ。奇跡の食物といえるだろう。市場にずらりと並ぶ、カラフルで野趣溢れる島野菜の姿を見ると心が弾む。それは、私たちがそのいきいきとした生命力にどうしようもなく惹かれるからに違いない。

(※2)九州沖縄農業研究センターの研究報告による

●Interview
野菜ソムリエ上級プロ、沖縄食材スペシャリスト
徳元佳代子氏

徳元佳代子氏
1957年神奈川県出身。沖縄県糸満市の農家に嫁ぎ、野菜の生産の傍ら、「ベジフルマンマ」を設立。「農と食を楽しみ、健康的な社会に貢献する」ことを信念に、病気予防に役立つ野菜の食べ方を伝える講演会や料理教室を行うほか、レシピ開発も多数。2013年に「野菜ソムリエアワード」で金賞受賞、著書に『からだにやさしい おきなわ島やさい』など。

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