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月刊Umekiki木曜マルシェのこんなひと、あんなひと vol.3

毎週木曜にグランフロント大阪で開催されるUmekiki木曜マルシェ。
関西近郊から、手間ひまかけておいしい食材を育てるユニークな生産者さんたちが登場。
そんな生産者さんたちを毎月紹介する「月刊Umekiki木曜マルシェのこんなひとあんなひと」。
第3回は、和歌山かぶと産業の沼さんに話しを聞きました。

 

 

 

 

●食べてもらえば、違いが分かってもらえる。

 

「見た目に騙されないこと」。これが、沼さんの美味しい野菜の見分け方だ。
すすきで有名な和歌山県生石(おいし)高原に、和歌山かぶと産業はある。標高は870m。
もう既に朝夕の冷え込みは肌寒い程度ではなく、はっきりと寒いようだ。

 

 

和歌山かぶと産業のこの時期のオススメは、トマト。この時期になぜトマトなのかと疑問に感じて聞いてみると、標高の影響もあってか生石高原のトマトは遅れておいしい時期がくると、教えてくれた。「このトマト、買って帰ってからがもっとおいしくなるよ」と言う。完熟の状態で収穫せず、完熟の少し前で収穫することで、収穫したその後も熟れつづけていくそうだ。このまま一週間ぐらい常温で保存し、真っ赤になった頃に冷蔵庫に入れて食べるのがおいしい食べ方なのだと教えてくれた。

 

 

 

●本当のものを食べてもらいたい

 

 

トマトに加えて、他におすすめしてくれた梨や胡瓜、実は沼さんが育てたものではないという。
野菜そのものの味を食べてもらいたい、本当のものを食べてもらいたいと、同じ想いを持つ生石高原の地元の方達が育てた野菜を集めてきて、持ってきているそうだ。
野菜の他にも卵やお米などが並び、梅干しやたけのこ、お餅などの加工品も並ぶ。
廃校になった地元の小学校を加工場にし、そこで地元のものを加工しているそうだ。マルシェで100%のストレートジュースを出品していたことをきっかけに、「私がもらってあげるわ」と、味はいいのに形や見た目が悪いため市場に出せない野菜や果物を、地元の農家さんから引き受けることが多くなり、扱う品がどんどん増えていったそう。沼さんの面倒見の良さや愛情深さを感じる話に、胸がほっこりした。

 

 

 

沼さんの農地ではいま、獅子柚子と梅を育てている。加工場では、獅子柚子はジャムに、梅は梅干しに加工しているそうだ。梅干しを一粒食べると、とてもしょっぱかった。「しょっぱいですね」と言うと「これが梅干しの本来の味だ」と笑いながら教えてくれた。どの梅干しも初めはこの梅干しと同じしょっぱさだが、塩分を洗い流す作業を加えて味を調整しているそうだ。この事実にも驚いた。
しょっぱいと感じた梅干しも、後味はさっぱりしている。塩以外に余分なものを一切加えていないからこその食べやすさだろう。

 

消費者が見た目のいいものや塩分を気にする姿勢も、流通する品に大きく影響するという指摘に、背筋が伸びる思いがした。食べる前の情報で良し悪しを判断し、食べた後の自分自身が感じる実感をおろそかにしているのではないか、もっとその実感を大切にしていきたいと思った。
生石高原には読み通り、“おいし”いがあるたっぷりある高原だった。

 

 

 

●梨をmekiki!

 

 

この時季おいしい、梨。
さっぱりとした二十世紀梨とは違い、しっかり甘みのある幸水梨。

 

もうすぐ有田みかんや合わせ柿もおいしい季節だと教えてくれた沼さん、食欲の秋はもう始まっている。

 

 

以上、「月刊Umekiki木曜マルシェのこんなひとあんなひと」でした!

前回の記事はこちらから

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