Umekiki
Umekiki
GRAND FRONT

Copyright (C) GRAND FRONT OSAKA. All Rights Reserved

  • TOP
  • chevron-right
  • Column

野菜を保存する知恵「金山寺味噌」の副産物である醤油から学ぶ、偶発性との出会い

  • RECOMMEND

●What is 和歌山の醤油?
もともと醤油は、味噌の原型とされる金山寺味噌の副産物として誕生。金山寺味噌は今から約760年以上前に中国から紀伊由良に伝わったお坊さんが考え出した夏野菜を冬に食べる為の保存食。白瓜、丸茄子、シソ、生姜等の入った栄養価の高い味噌だ。それを作る際にたまたま生まれた液汁がおいしかったため、醤油として製法が確立され発達してきた。豊かな自然が息づく和歌山のきれいな水を使い、天然醸造の伝統を守る手作り醤油を作り続けている。

▲湯浅醤油有限会社の櫂入れをしているところ

●熟練した職人に聞いた、おいしい理由
大豆、小麦、塩、水、そして日本の国菌とも言われる麹菌による発酵の力によって生まれる醤油。約90年ものの奈良県吉野杉を使用した直径2.3mほどの大樽へ寒い冬に仕込み、四季の移り変わりとともに発酵・熟成。気温が温かくなるにつれ、徐々に菌や酵素の活動が激しくなる。職人によって丁寧に櫂入れされ、新鮮な空気をいれることで発酵がより活発に。櫂を入れると大樽の底からぶくぶくともろみが沸き立つ様子は圧巻。目にみえない菌の力を借りておいしい醤油が生まれていることを実感することができる。約1〜2年、手をかけた後に生まれたもろみを1週間かけてじわじわと絞りだし別の樽で約2週間寝かす。その段階ではまだ菌は発酵を続けているので最後に火にかけて発酵をとめる。そうしてやっと完成する醤油は、大豆の旨味を十分に引き出した濃厚でまろやかな味わいとなるのだ。

▲湯浅醤油有限会社の杉樽 

【取材先】和歌山県有田郡湯浅町湯浅醤油有限会社

Recommends

おすすめ記事