● Umekiki シェフの教室 -発酵バターを使った焼菓子をmekiki-をレポート!
世界一の品質、究極のシュークリームを作ることを掲げ、“極”という名前のシュークリームを大阪から世界に発信するシュークリーム専門店、Grand Chox Creamのシェフパティシエ 河崎氏が講師となる料理教室を開催。
河崎シェフが考案した教室のテーマは「発酵バターをつかった焼菓子作り」。イベント告知後すぐにたくさんの応募があり、期待値の高いイベントが幕をあけた。

▲若き天才シェフパティシエと呼ばれる河崎賢司氏
今回の料理教室のために河崎シェフが用意した発酵バターを使った焼き菓子のレシピは3種類。
ひとつめは、マカロンがくっついたような形のイタリア郷土菓子、バーチ ディ ダーマ。
ふたつめは、フランス語で「砂で覆われた」という意味を持つサブレを発酵バターと抹茶で作る抹茶のサブレ。
最後は、アメリカの朝食の新定番になりつつある注目のお菓子、ポップオーバー&ハニーホイップバター。

▲この日のために河崎シェフが飴細工でつくった真っ赤な美しいプレートに盛りつけられたスイーツたち。左からバーチ ディ ダーマ、ポップオーバー&ハニーホイップバター、抹茶サブレと並ぶ
まずはどのレシピにも使用する発酵バターについて丁寧に説明してくれた河崎シェフ。原料乳を乳酸発酵させてから作る発酵バターは、じっくりと時間をかけて作られているので、バター本来の甘い風味に、ヨーグルトのようなさわやかな酸味と特有の芳香が加わり、奥深い味わいが特徴だという。日本で売られているバターのほとんどが無発酵のバターだが、ヨーロッパでは発酵バターが主流となっているそう。

▲参加者に配られた試食用の発酵バター

▲左が無発酵のバター。右が発酵バター。比較すると色の違いがはっきりと分かる
【menu 1】バーチ ディ ダーマ
〈 レシピ 〉
発酵バター 275グラム
粉糖 135グラム
フランスパン用中力粉 285グラム
アーモンドプードル 165グラム
チョコレート 適量
〈 作り方 〉
①生地を作る。
1.粉糖、中力粉、アーモンドプードルを一緒に計量し、ふるいにかける。
2.バターを入れ、混ぜる。
3.ラップで包み、冷蔵庫で寝かす。
4.ボール状にまるめ、天板に並べる。
5.150℃オーブンで15分焼く。
②チョコレートのガナッシュを作る。
1.チョコレートを湯煎で溶かす。
2.チョコレートにお湯を加え、滑らかな状態にする。
③チョコレートを生地に絞ってサンドする。
間にミルクチョコがサンドされている、貴婦人のキスという意味を持つカワイイお菓子、バーチ ディ ダーマ。材料のフランスパン用中力粉は強力粉と薄力粉を6:4で混ぜたものでも代用可能できることや作った生地は冷凍して保存すれば1ヶ月ほどは保存可能であることなど、日常に活かせる様々なポイントも丁寧に伝授する河崎シェフの話に参加者も真剣。

▲河崎シェフの話を目の前で聞けるめったにない機会に、真剣に耳を傾ける


▲チョコでアレンジしてオリジナルのバーチ ディ ダーマ作りを体験。参加者が楽しめる演出もしっかりと考えてくれた
【menu 2】抹茶のサブレ
〈 レシピ 〉
発酵バター 200グラム
粉糖 100グラム
フランスパン用中力粉 250グラム
卵黄(Mサイズ) 2個
塩 2グラム
抹茶パウダー 10グラム
〈 作り方 〉
1.粉糖、中力粉、抹茶パウダーを一緒に計量し、ふるいにかける。
2.発酵バターを5ミリ角にカットし、冷蔵庫に入れておく。
3.ミキサーボールにふるいにかけた粉類と塩を入れ、カットし冷やしておいた発酵バターを加えそぼろ状になるまで混ぜる。
4.そぼろ状になったら、卵黄を入れ軽く混ぜる。
5.ラップで包み、冷蔵庫で寝かせる。
6.寝かせた生地を延ばして、型で抜き、160℃のオーブンで焼き上げる。
サブレを作る際にパサパサになるまで混ぜることをサブラージュといい、両手で発酵バターと粉を混ざり合うように揉んで行う。捏ねたり、練ったりしないことが、サラサラ、サクサクした状態にするポイントだという。

▲棒状のかたまりを作りカッティングすることで、簡単にきれいなサブレを作れる方法を伝授してくれた
【menu 3】ホップオーバー&ハニーホイップバター
〈 レシピ 〉
▼ポップオーバー
発酵バター 10グラム
フランスパン用中力粉 100グラム
全卵(Mサイズ) 3個
牛乳 120グラム
塩 1グラム
▼ハニーホイップバター
発酵バター 250グラム
ハチミツ 60グラム
〈 作り方 〉
▼ポップオーバー
1.ボールに中力粉、塩をふるいにかける。
2.小さいボールに全卵を割り、卵をほぐしながら牛乳を少しずつ入れる。
3.牛乳が全部入ったら、溶かした発酵バターを入れ、混ぜる。
4.1でふるいにかけた中力粉に、3の液体を少しずつ入れ、混ぜる。
5.生地を1時間寝かせる。
6.型にバターを塗り、生地を八分目までならし、200℃オーブンで15分焼く。
7.オーブンの温度を160℃まで落とし、10分焼く。
▼ハニーホイップバター
1.発酵バターをポマード状にする。
2.ハチミツを入れ、白っぽくなるまで混ぜる。
シュークリームのような見た目だがデニッシュに近い食感のポップオーバー。初めて耳にする参加者も多かったよう。
ポップオーバーが焼きあがるまでの間、デコレーションを楽しむ時間も。味だけでなく見た目にもこだわるスイーツ作りを堪能できたようだ。

▲苺に顔をつくる河崎シェフ。ほんのひと手間でスイーツがぐんと愛嬌たっぷりに

▲参加者のすぐ横で焼き上げられたポップオーバー。熱々の状態のものが配られた

▲各々がデコレーションを愉しんだ皿にのせられた、焼きたてのポップオーバー
おみやげには、河崎シェフの代名詞ともいえる、卵、発酵バター、バニラビーンズ、小麦粉と全ての素材に「これ以上の素材は存在しない」という最高の希少素材にこだわった、“極”シュークリームや焼菓子、またGrand Chox Cream来店時に使えるクーポンなど、なんとも贅沢な内容が用意された。
河崎シェフの普段のこだわりがうかがえるような、随所に学びのポイントが披露されたスイーツ作り教室。
参加者からは、「他ではなかなか聞けない学びたっぷりの内容だった」「シェフの丁寧な説明がとてもわかりやすかった」「シェフの人柄のファンになった」など、河崎シェフの人柄と知識を知ることができる普段なかなかできない体験となったようだ。