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精進料理に触れ、ていねいな暮らしを考える

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肉や魚を使わない料理として、ヘルシー志向の昨今に注目を集める精進料理。そんな風潮の中にあって、多くの人に門戸を開くべく「ハイブリット精進料理」を提唱する若き僧がいると伺い、福井県を訪ねた。精進料理を通して、日々の食や生活に対する心のあり方を考え、ていねいな暮らしを目利きする。

 

ハイブリット精進料理とは?

福井県南部の嶺南地域に位置する美浜町。国吉城の城下町を起源としてきたのどかなこの町に、曹洞宗陽光山徳賞寺はある。今注目を集めているのが、この徳賞寺の副住職・粟谷一智氏が作る「ハイブリット精進料理」だ。本来の精進料理の教えや父である住職の正光氏の考えと異なる部分もあるというが、その理由には一智和尚の想いがあった。「私が作るハイブリット精進料理を通して、多くの人がお寺にお越しいただくきっかけになれば」と、僧侶が修行のために食べる精進料理ではなく、一般の方においしく愉しんでもらえる精進料理を「ハイブリット」と称しているのだそう。

品数豊富な精進料理

「目にも愉しんでもらいたいので、彩りを増やすようにしています」というように、お膳に並んだ料理は色とりどり。食材が少なくなる時期でも、その工夫は変わらない。また、定番となっているのが、洋風料理を取り入れたもの。イタリアン金比羅、里芋ニョッキ、キャベツレモンマリネなど、一見精進料理とは思えないようなメニューが数多く登場する。そして、驚くべきは品数の多さ。20種類以上の献立を用意することも多いのだとか。一智和尚は、「お寺が近いものだと感じてもらえたら嬉しい」と、自らが歩み寄り、ハイブリット精進料理を追求し続けている。

精進料理を作る一智和尚