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日本の食文化が息づくもてなしとしつらえ

日本の食文化が息づくもてなしとしつらえ

Mekiki Point

“もてなし”と“しつらえ”という言葉に分け、おもてなしの食文化をmekiki!

●日本の食文化が息づく“もてなし”と“しつらえ”
日本を表す言葉のひとつとして、世界にも知れ渡った“おもてなし”という言葉。
字のごとく、もてなしに「お」が付いた丁寧語で、本来のもてなしという意味に加え、何か特別感が加わった。
今回、おもてなしという言葉が含んでいる意味を紐解き、“もてなし”と“しつらえ”という言葉に分け、おもてなしの食文化を探った。

●“もてなし”と“しつらえ”とは?
日本で唯一の伝承料理研究家である奥村先生は、「おもてなしという言葉は、少しねちっこいね」と笑う。もてなしとしつらえという言葉は、京都の料理文化の中で育まれたそう。お客さんを迎える時、茶道を心得た料理人は、「お客さんに会うのは今しかない」と“一期一会”という言葉の通りに一生懸命もてなす。また、しつらえも茶道の影響を受け、器は芸術品に近く、庭、路地、建物から、お香、生花、掛け軸などの部屋の佇まいも大切にし、整える。「その文化に、日本のほとんどが影響を受けているのではないか」と奥村先生はいう。
おもてなし1
●家庭料理の中にあるもてなしの基盤
世界各地の食文化に触れてきた奥村先生。旅先では必ず、民家で食事をとるが、それは家庭料理の中にもてなしの基盤を感じるからだという。「例えば、イタリアのサルデーニャ島で母娘が作ってくれた、カサゴとアサリのスープで煮たクスクスやイタリア式じゃがいもの茹でぎょうざは抜群においしかった」という。かくいう奥村先生も、「私の料理の基本は、我が家の子どもの頃の味」と話す。和歌山県西牟婁(にしむろ)郡すさみ町。海と山に囲まれ、ほとんど自給自足の暮らしの中で、3歳頃から料理を手伝っていた。「料理は好きなように作ればいい」というが、それは家庭の中で染み付いた基礎があるからこそだという。
おもてなし2

●気張らない普段着のお付き合い
「自宅にお客さんを招く時、特別なことをしようと思うからしんどい」と奥村先生はいう。作り慣れていないものではなく、得意料理を磨き、自信があるものを振る舞うのが良いという。「そうすれば、食べる人と自分との息が合い、心が通います」と話す。またしつらえは、まず料理に合う器を考え、皿の上は食べるものだけをさりげなく盛る。テーブルクロスがなければ、テーブルランナーやランチョンマットでもいい。そしてテーブルには、庭の花でもいいから摘んで一輪でも飾る。“もてなし”の基本は、特別感を演出することではなく、お客さんを喜ばせることだと奥村先生に教わった。

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