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Mekiki Library 日常で使える食材の選び方・作り方・食べ方の知恵

エディブルフラワーの魅力とは?

エディブルフラワーの魅力とは?

Mekiki Point

エディブルフラワーのルーツと魅力をmekiki!

The charm of edible flowers ーエディブルフラワーの魅力とは?ー

花の姿の美しさ、色の鮮やかさ、
そして食卓を一瞬のうちに幻想的で華やかな舞台にしてしまう盛りつけの愉しさ。
食べるための花として約30年前から日本でも普及し始めた
エディブルフラワーについて紹介しよう。

 

●「花を食べる」食文化のルーツを探る
約2800年前から古代インディオたちが砂漠で常食していたといわれる花。また、古代中国では不老長寿食などとされ、日本でも菜の花やふきのとうなど、馴染み深い食材である。食用菊の生産量の多い山形県では、江戸時代から菊を食べる文化が始まったとされている。そのシャキシャキとした歯ごたえ、甘くてほろ苦い味わい、ほのかな香りを、酢の物や天ぷら、おひたしにして食べるのだ。歴史的に特定の地域で食べられてきた花は、近年の成熟した食文化のなかで“面白さや愉しさを求めて”「エディブルフラワー(食べられる花)」と名付けられ、新しい世界を生み出した。

●エディブルフラワーの発祥と世界への広がり
アメリカ西海岸、サンタバーバラにある農園「パラダイスファーム」が1983年に栽培を試みたのがエディブルフラワーの始まりとされている。その2年後に現地を訪れたハーブ研究家・小松美枝子氏は、魅力ある花の料理の数々に「これからの日本にふさわしい新しい食文化への可能性を感じた」という。古くから親しまれてきた食用花にキンギョソウやローズなど食べられる花を新しく加えた小松氏によって、1988年には日本でエディブルフラワーイベントが開催された。今ではカナダやニュージーランド、ヨーロッパ諸国だけでなく、韓国や香港、南アフリカなどにもエディブルフラワーの文化は広がっている。

●日本の食文化に育まれる花たち
食べられる花といっても、どんな花も食べられるわけではない。植物には人体に適さない毒性を持ったものも意外と多いのだ。そのためエディブルフラワーと呼ばれるには、栽培方法から厳密に管理された安全な食材であることが求められる。農林水産省のガイドラインに基づき食用として栽培された花であれば食べることができる。葉や茎、根ではなく、エディブルフラワーは花そのものを食用にする点が特徴。自然を愛でる心、四季を感じる食文化など、日本古来の風土に育まれて、「食べられる花」は私たちの暮らしに豊かさを与えてくれる存在へと成長している。

●Blooming colors on your plate ー食卓を彩る季節の花たちー
野菜や果物と同様、エディブルフラワーも季節ごとに旬がある。その一部を愉しみ方とともに紹介。

春のエディブルフラワー
春はたくさんの花が咲く季節。リンゴのような甘い香りがするカモミールや飲み物の香りづけに良いスイートバイオレット、ミネラル豊富なダンデライオンは天ぷらもおすすめ。

夏のエディブルフラワー
夏といえばヒマワリの花。花弁が厚いのでスコーンなどに使うのがおすすめ。ほのかな甘みのあるデイリリーはフライにしたり、フレッシュサラダの彩りに。シソ科のラベンダーで肉料理の臭みを抜けば食事も進みやすい。

秋のエディブルフラワー
収穫の秋は旬の食材に華を添えたい季節。サフランはパエリアにも使われる馴染み深い食材。わさびのような辛みが特徴のナスタチウムでお寿司はいかが。

冬のエディブルフラワー
冬は根菜類などを使った温かい料理を食べたい季節。そんな食卓に彩りを加えるならあっさりした味わいのビオラやパンジーを使ったサラダやゼリーがおすすめ。

●色・香り・味わいを掛け合わせたアートな一皿
エディブルフラワーを使った皿は効果的に取り入れたいもの。例えば、殺菌や防腐作用のある成分を含む定番ハーブとして有名なタイムだが、花と一緒に使って気品あふれるアートな一皿を作ってみてはどうだろう。香りや色、味わいの相乗作用で心地よい食事が期待できる。

【How to enjoy Thyme タイム】
 Color:消化促進のハーブとして馴染み深いタイムだが、実は薄いピンクの小花が咲く。
 Smell:オイルやビネガーに漬け込み気品のある香りを愉しんで。
 Taste:しまりのある味わい。強めに風味を添えたいときに加えると良いといわれる。

 

●Interview-インタビュー-
日本エディブルフラワー協会 会長 小松美枝子氏

ハーブ及びエディブルフラワー研究家。日本に初めてエディブルフラワーを紹介した第一人者。2016年5月国連 World Human Facility(WHF)の在日大使に任命される等、国際的にも幅広く活躍。東京農業大学・非常勤講師、農林水産省・食用花卉導入検討委員等を歴任。古流松涛会家元師範。

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