Umekiki
Umekiki
GRAND FRONT

Copyright (C) GRAND FRONT OSAKA. All Rights Reserved

  • TOP
  • chevron-right
  • Column

トマトは、なぜ世界中の人を魅了するのか

  • 食べ方

世界各地の代表的な料理にも使用され、多くの人々に愛されているトマトは、今や世界に約8000種類あるとされる。なぜトマトはこんなにも万人に愛されているのか?トマトのルーツ、特性、そのおいしさの理由を探る。

●世界中で愛されているトマト
トマトは、南アメリカのアンデス山脈の高原地帯が原産のナス科ナス属の植物。16世紀にヨーロッパに渡った当時は、猛毒の植物に似ていることから流通しなかったが、18〜19世紀頃から徐々に普及しはじめたとされる。今では世界で最も食べられている野菜とも言われるまでに。旨味、香り、酸味、食感、見た目にこだわる品種が数多く存在し、色味においても橙色(オレンジバナナ、ピッコラカナリア)や緑色(グリーン、グリーンゼブラ)、アントシアニンで黒っぽい色(ブラック、ブラックゼブラ)のものなどバリエーションも豊富だ。

●日本のトマトのルーツとは
日本でのトマトの歴史は比較的浅く、トマトが入って来たのは江戸時代。長崎県へと伝わったのが最初とされる。当時の人々には、真っ赤な見た目は敬遠され、はじめは観賞用だったという。しかも、独特の臭みがあり、日本人の嗜好に合わなかったそう。食用とされたのは明治時代で、日本人の味覚にあった品種が作られ、本格的な栽培が始まったのは昭和頃から。食事の西洋化と品種改良により、トマトは生食用として受け入れられていった。また、トマトケチャップに代表されるように、トマトソースなどの加工調味料も普及した。

●世界と日本でのトマトの食べ方の違い
トマトの品種には、加熱用と生食用がある。ヨーロッパなどの海外では、炒めたり煮込んだりと加熱することが多い。一方、日本や韓国では、桃太郎に代表されるようなピンク系生食品種が一般的で、サラダなどの生食に用いられている。大玉で甘さと瑞々しさに重点を置いたものだ。ピンク系は皮が薄く果肉も柔らかいが、味が薄いのでソースなどには不向き。食生活の多様化により、最近では日本でも赤系やミニトマトなどの味が濃厚なものも普及しつつある。

●トマトが様々な食材に合う理由
トマトは、鮮やかな色・豊富なビタミン・水分・適度な旨味と酸味を兼ね備える万能野菜。特に、昆布出汁や醤油、味噌などにも含まれる旨味成分のグルタミン酸が豊富。日本で発酵調味料がうまく用いられ旨味を引き立ててきたように、18世紀頃から地中海沿岸を中心とした地域では、料理のベースとしてトマトが用いられてきた。また、トマトの酸味は、肉や魚の臭みを和らげ、脂っこさを軽減させる効果もあるとされるため、台所になくてはならない存在となったことも納得できる。

●トマトの旨味の活かし方
旨味成分には相乗効果があるので、トマトに含まれるグルタミン酸は、肉や魚に含まれるイノシン酸や、きのこに含まれるグアニル酸と好相性。また、0.5〜1%程度の適度な塩分を加えると旨味が引き立つ。さらに、トマトは熟せば熟すほど旨味が強くなるので、スーパーなどで買ったトマトは追熟すると良い。生食用のトマトは、ゼリー部分に最も旨味成分が含まれており、皮やその周辺にペクチンが豊富。余すことなく使うことで、トマトの恩恵をたっぷり受けてほしい。