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料理の幅が広がる、卵の物理法則

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●料理の幅が広がる卵の4つの特徴
現代の食生活に欠かせない存在となっている卵。その理由は、卵の持つ大きな4つの特徴にあった。
偉大な卵の特徴を学び、毎日の食事のレパートリーをもっと広げてみよう。

 

1、熱で固まる
一般的にどんな食材のタンパク質も加熱によって固まるが、卵は肉や魚と異なり液状のタンパク質というのが珍しい。これによって、どんな食材や調味料とも馴染みがよく、旨みやおいしさを閉じこめられる。きちんと固めるには黄身は68℃以上、白身は73℃以上の加熱が必要。水や砂糖が入ると固まりにくく、牛乳や塩が入ると低い温度でも固まりやすいそう。この特徴により、茶碗蒸しやオムレツのように旨みを閉じ込めながら弾力のある食感を愉しむことができる。


2、泡立つ

卵白は撹拌すると泡立つ特徴をもつ。これがおいしいスポンジケーキやふわふわのシフォンケーキを作ることのできる理由のひとつなのだが、泡立つのはタンパク質のちからだという。特に卵白のタンパク質は、水と馴染みやすい性質と空気と馴染みやすい性質があり、撹拌することによってこの2つの性質があわさって泡をつくるのだそう。この特徴によって、ふわふわの食感や弾力感、舌触りなどを生んでいるのだ。


3、乳化する
水と油は異なる性質をもつため混ざり合うことはない。この混ざり合わないものを混ぜるのが乳化力。マヨネーズに代表されるように卵は乳化力によってあらゆるものを均一に混ぜることができる。特に卵黄の乳化力は優れており、いろんな食品の乳化剤として使われている。人間が味を感じるのは、舌の味蕾(みらい)という部分で、ここから味覚神経に伝わりおいしさを感じる。油の粒は大きく、味蕾に入ることができないため、乳化することによってコクや濃厚な味わいを長く感じることができるのだ。


4、高栄養価
卵に足りない栄養素は、ビタミンCと食物繊維くらいと言われるほど、からだづくりに必要な栄養素がバランスよく含まれている高栄養価食品。有精卵の場合は、35℃で3週間温めると、1羽の雛が生まれる。つまり卵は、1羽の生命体を生み出す栄養素のかたまりなのだ。かつてはコレステロール値が上がることを心配して1日1個が適量だと言われていたが、逆にコレステロール値を下げる成分も発見され1日2個食べることを推奨する動きもある。簡単に取り入れられる卵だからこそ、からだのために毎日の食卓に添えていきたい。

 


[インタビュー]
キユーピー株式会社
研究開発本部 商品開発研究所 タマゴ開発部
主幹研究員 市村 司  氏



マヨネーズを代表する卵を主原料とした調味料メーカーであり、食卓に欠かせない存在であるキユーピーに入社後、卵の奥深さに魅せられ卵の研究と商品開発、用途開発を続けて約33年。社内ではタマゴ博士と呼ばれ、様々な卵の知識を有する頼れる存在。

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