●『シェフの教室-お肉とお米を学び味わう-』をレポート!
焼肉を食べているとついつい食べたくなるご飯。今回は「日本の“おこめ”を楽しむ 新感覚おむすびフェア」に合わせて、お肉とお米を学ぶシェフの教室を開催。会場はグランフロント大阪 南館 7階にある「鶴橋 焼肉 白雲台」。黒毛和牛(仙台牛、佐賀牛)をメインに、お手製のキムチや20分以上練りこんだプリプリの冷麺など、手作りにこだわった本格的な韓国宮廷料理が味わうことができる。
教室では、神戸のお米屋さん「いづよね」とのコラボによるお肉に合うお米の実食や、白雲台の店長 金城忠範さんに美味しい肉の焼き方を教えていただきながらの国産牛、海外牛、和牛の食べ比べが行われ、アットホームなスタッフのサポートのもと、参加者からも笑みがこぼれる和やかな場となった。

まずは、Umekiki事務局によるUmekikiプロジェクト、そして「日本の“おこめ”を楽しむ 新感覚おむすびフェア」の紹介からスタート。日本人のソウルフードとも言うべき ‘‘おむすび”が、様々なジャンルのシェフたちの考案によって新感覚な創作おむすびとして登場するこのフェア。新米のおいしいこの季節に34日間にわたって開催されている。

引き続いて「いづよね」のご紹介。明治時代からつづく創業130年の歴史を持つ米穀店で、神戸市東灘区にて業務用や家庭用のお米販売を中心に店頭販売や配達を行う。全国各地60〜70種類ほどのお米を扱っており、今回はお肉に合うお米として3種類のお米を準備いただいた。まずはそれぞれのお米の説明やそれに合うお肉を聞きながら食べ比べ。品種ごとに番号が書かれた一口大のおむすびが準備された。


1. 宮城県「だて正夢」
宮城県の最新品種。ふっくらとしながらかなりの柔らかさをあわせもっており、今の流行の食感として人気。甘い特上ロースで巻いて食べると甘さが引き立ち格別な味わいに。
2. 鳥取県「きぬむすめ」
食味ランキングで特A認証を受けた人気急上昇中のお米。しっかり目な食感でのどこしがよく、なめらかさが高評価。タレをたっぷりとつけたハラミで丼にしたらやみつきに。
3. 山形県「雪若丸」
山形県の最新品種で、炊きたてのふっくら感と冷めたときのコシの強さが特徴。塩タンのぷりぷりとした弾力との相性が抜群。
普段何気なく食べているお米を、じっくり食べ比べることでそれぞれのお米がもつ食感や甘み、粒の大きさの違いが感じられ、なるほどなひと時。
「いづよね」の四代目店主・川崎恭雄さんは、自身の闘病経験から、お米の大切さを実感し、体に良いお米の楽しさを伝えるセミナー活動やお米屋さんの支援活動をおこなっている。今回は闘病からの奇跡的な復活の一助となった”玄米”のおいしい炊き方をまとめたレジュメも用意された。ちなみに玄米には白米の2倍のミネラルが含まれているそう。
また、この料理教室のお土産としてオリジナルのお米袋に入った兵庫県「コシヒカリ」が用意された。

<Umekiki>料理教室満員御礼!とオリジナルプリントされたコシヒカリ
●いざお肉の食べ比べ!国産牛、和牛、外国産牛を実食

それぞれのテーブルにお肉が配られ、いよいよお肉の食べ比べ。用意いただいたのは国産牛の上ロース、和牛の特ロース、外国産のチャックテール。全て同じ部位でありながら、サシの入り方や赤身の色など、見た目にも違いがあることがわかる。「白雲台」の金城店長にオススメの焼き方をレクチャーいただき、実食が開始。ポイントは焼き過ぎないこと。表面の色が変わり焦げ目ができる前にさっとひっくり返す。テーブルを回り、焼き加減を丁寧に見てくれるホールスタッフ。店長も各テーブルをまわり、ひとりひとりに焼き加減やオススメの食べ方を教えてくれた。
味の違いがわかりやすいとい、外国産牛、国産牛、和牛の順番での実食。歯ごたえや甘味、口の中での溶け方の違いがはっきりとわかり、参加者からも「全然違う!」という驚きの声。一番食べ慣れているせいか国産牛がやっぱり好きだという声も。

食べ比べた後は店長によるそれぞれのお肉の違いをレクチャー。国産牛とは日本で一定期間飼育された牛のこと。外国で生まれた牛も日本での飼育期間がながければ国産牛と呼ぶそう。へぇー!とうなずく参加者たち。「最近の外国産牛はヘルシー志向で肉の旨味を追求しているのでおいしいですよ。今日は和牛と違った外国産牛の美味しさも感じていただけたら。」、と金城店長。
●タレの揉み込み方でどのように味が変わるのか

つづいては、タレをしっかり揉み込んだ肉と揉み込んでない肉の食べ比べ。「白雲台」は昔からのこだわりとして甘みのある自家製のタレにしっかりと揉み込んだお肉を提供しているそう。ここでは黒毛和牛のハラミを使用。食べ比べると一目瞭然。タレを絡めただけのお肉は、タレの味が表面だけに対して、しっかりとも見込まれたお肉は噛めば噛むほどにタレと脂のうまみがあふれやわらかい。

ここで予定を変更して、店長のご厚意により、参加者も実際にタレで揉み込んでみることに。店長のレクチャーを受けいざ実践。タレをすくいながら指が肉に少し食い込むぐらいの力加減で10回揉みこむ。ここで揉み過ぎないように注意。揉みすぎるとドリップが出て味が変わってしまうそう。実際に自分たちで揉み込んだお肉半格別で、「うまくできた!」と喜びの声も。

最後は、脂身の多い下駄バラ肉を白雲台自家製のこだわりつけダレでお肉をいただく。胃もたれが心配な脂身の多い肉も酸味のあるあっさりとした自家製つけダレでいただくと、さっぱりと美味しく食べられる。おかわりのご飯や自家製キムチも用意いただきご飯がすすむ。キムチのあまりの美味しさに「どのようにつくっているのですか?」と質問の声も。白雲台では焼肉にあうよう、浅くつけた新鮮なキムチを提供。「キムチやナムルが焼肉屋を語りますよ。一番お店の味が出る部分なので、そこがおいしいお店はまちがいないです。」と金城店長。うんうんと同意する参加者も多く見られた。

●意外と知らなかったお肉ランクの話
実食の後は金城店長より豆知識を教えていただいた。肉のランクは、個体の脂の多さでを示す“歩留投球”(A〜C)と、ある特定の部位の霜降り具合、色のツヤ、きめ細かさなどを示す”肉質等級”(1〜5)が総合的に判断され全15ランクに分かれるそう。なかでも白雲台が提供する仙台牛はA5もしくはB5ランクのみ仙台牛と名乗ることを許される非常に貴重な肉だそう。

白雲台社長・呉龍一さん
最後は白雲台社長・呉龍一さんが、食の大切さや食育の取り組みについてお話くださった。呉さんは幼少期の経験や旅行で訪れた牧場主との話から、食の大切さ、食のこれからを考えていきたいという思いを持ったそう。そんな思いから社員教育として白雲台でも提供している米の農家さんに協力してもらい、田植え体験、収穫体験の活動を開始。今年の5月にはお客さんにも体験してほしいと一般参加の方も募集。今回の参加者の中には稲刈り体験に参加した人もおり、呉さんの思いが伝わる貴重なお話を聞く機会となった。
最後には、お家でも手軽においしくお肉が食べられるようにと、自家製つけダレともみダレ、現在試作中の麻辣キムチをお土産にいただいた。タレを応用した創作料理のアイデアも教えてもらい、帰ってからも楽しめる工夫と優しさが感じられた。参加者を見送るスタッフの視線からもおもてなしの心が垣間見え、非常に満足感のあるイベントとなった。