●「シェフの教室-長崎食材を使ったコース料理を学び味わう」をレポート!

グランフロント大阪 南館 8階にある「現代風野菜フレンチ リュミエール大阪KARATO」。おいしいごちそうと健康な身体づくりの両立を目指し、野菜の美食を追求した唐渡シェフによる現代風野菜フレンチのレストラン。デモンストレーションを見ながら唐渡シェフのテクニックを勉強した後、「リュミエール大阪KARATO」に場所を移し、シェフの料理を味わう教室が開催された。


デモンストレーションは、春らしい「スナップエンドウのヴルーテ 春の野菜を添えて」。季節毎に登場する個性豊かな豆は料理にメリハリをつけ、季節感を強く印象づけるのだとか。今回は長崎のスナップエンドウを使って作る。
☆「スナップエンドウのヴルーテ 春の野菜を添えて」のレシピ
・スナップエンドウのピュレ 作りやすい分量
【材料】
スナップエンドウ(長崎産) 20本
重曹 水1ℓに対して1g
塩 適量
【作り方】
①スナップエンドウはスジを取り除く。重曹を入れて沸騰させた湯で、指で触ってつぶれるぐらいまで茹でる。
②氷水に落として水気をしっかり切る。ミキサーにかけてピュレ状にし、塩で味をととのえる。
・スナップエンドウのヴルーテ 2人分
【材料】
スナップエンドウのピュレ 180g
スナップエンドウ(長崎産) 4本
菜の花 2本
空豆 2個
塩 適量
サラダ油 少量
【作り方】
①スナップエンドウのピュレに水(分量外)を入れ、ヴルーテの濃度に調整して塩で味をととのえる。
②熱したテフロン加工のフライパンにサラダ油をひき、スジを取り除いたスナップエンドウを弱火で焼いて、塩をふる。
③菜の花は色が鮮やかになり、茎が柔らかくなるまで蒸し、塩をふる。
④空豆はやや弱めの中火にかけたフライパンでサヤごと焼く。表面に焼き色がつき、皮にシワが寄るまで焼き、サヤと皮を取り除いて塩をふる。
⑤スープ皿に温めた①のヴルーテを流し、スナップエンドウ、菜の花、空豆を添える。

参加者の中には唐渡シェフのファンも多く、熱心に調理方法について聞き入っていた。

途中、出来立てのピュレを味見。辺りに良い香りが広がる。

サラダ油をひき、水分を飛ばす程度にスナップエンドウを焼く。「こういうひと手間をかけるだけで、ぐっと美味しくなりますよ」。

スープ皿にヴルーテを流し、スナップエンドウ、菜の花、空豆を添えて完成!
唐渡シェフのmekiki point!!
●塩は良いものを使う

塩は料理の基本。良い食材と適切な調理法、適切な塩加減が大事だと話す唐渡シェフ。「私は長崎県平戸市にある“慈眼堂”のものを使っています。満月の海水をくみ上げて窯で炊いた海水100%の塩。非常に軽くていいですね。塩は絶対良いものを使ってください。1㎏1000円を超えるのが大体いい塩の基準です」。
●スナップエンドウは素早く冷やす

スナップエンドウが手で潰れるぐらいになったら、氷水にとる。熱がとんだら、すぐに水からあげる。
●野菜は色が飛ばないように湯がく
湯がきすぎると色がとぶので注意。
●ピュレは大量な方が作りやすい
冷凍もできるので、大量に野菜が手に入った時はピュレにしてストックするのもいい。

予定にはなかったが今回、特別にもう1品、長崎県の五島〆(じめ)によるハタのソテーをレクチャー。家で魚を焼く時のコツを伝授してくれた。
唐渡ェフのmekiki point!!
●塩は身の薄いところは少なく、厚いところは多くふる

体積に対する塩のパーセンテージは決まっているが、薄い所は少なく、厚いところは多くを基準にすると、ふりやすい。
●魚は皮だけを焼く

身を焼くと旨味が逃げてしまうので皮を下にして油を入れながらパリッとなるまで焼き、蓋をして蒸す。フライパンの温度が上がり過ぎたら一度、火から下すなどして調節する。「後は食べる前にオーブンに入れて温めるといいですね」。
リュミエール大阪KARATOで実食
レクチャーの後は会場を「リュミエール大阪KARATO」(グランフロント大阪 南館8階)に移し、シェフの料理をいただいた。


唐渡シェフによる乾杯のあいさつと、料理の説明からディナーがスタート。
使用する調味料は基本「塩」と「胡椒」のみ。バター、クリーム、小麦粉、砂糖は料理には99%使わない。
様々な技法を駆使し、野菜が味の構成に大きな比重を占めるというシェフの料理を味わう。

テーブルからスタッフたちが、きびきび働いている様子が見えた。

「岡崎農園のフルーツトマトとビーツのジュア 縞海老と北寄貝を赤い一皿に」
赤い食材を集めた一皿。赤パブリカのムースやイクラを裏ごししたソースなど、美しい一皿。

パンに添えられたトマトのソース。参加者からは「酸味があって美味しいです!」との声。

「スナップエンドウのブルーテ 春の野菜と帆立貝柱の低温コンフィを添えて」
デモンストレーションで作られたブルーテが登場。盛り付けで雰囲気がこんなにも変わるとは驚きだ。テーブルからも「優しいお野菜の味です。量もたっぷりで嬉しい!」などの声が上がった。

「柚子の器に閉じ込めた長崎五島列島のハタと伊勢海老 菊芋のジュレと甲殻類のエッセンス」

コースの途中にシェフが客席を周り、質問などに応えていた。

「国産牛フィレ肉の低速ロティ キノコデュクセルのサバイヨン焼き」

「小さな野菜のデザート」に続き、「リュミエール風モンブラン 温かい栗のスープを注いで」


最後に小さな焼き菓子「一口のお楽しみ」とフランス ダマンフレールの紅茶2種類が登場。美味しい紅茶を飲みながら、デモンストレーションやディナーの感想などが参加者から披露された。

「私たちは野菜の根っこもグリーンピースやトマトの皮もみんな大切に使っています。素材を大事にして向き合い、まじめにつきあうことが大事。そうすることで料理の腕も上がると思いますよ」とシェフ。野菜の力、長崎の食材の魅力、素材の旨味を引き出す方法を知ることができた非常に学びのある教室となった。