●Umekikiシェフの教室–石窯焼きピッツァとナポリのお惣菜を作ろう!–をmekiki!
ピザを焼く大きな石窯がキッチンに設置され、焼きたての本格ピッツァをいつでも楽しめるイタリアンレストランTana La Terrazza。ちょっとシャイで口下手な大嶋シェフが、じっくり時間をかけて準備して下さったメニューは、カンパーニャ州ナポリの郷土料理とお惣菜を存分に味わえ、焼きたての石窯焼きピッツァも食べられるおいしい教室。
テラスで食事をする予定が、生憎の強風のため店内で召し上がって頂くことになったが、お腹も心も満たされるおいしい品々がたくさん登場。大嶋シェフは、いつもと違う電磁調理器での調理に、途中少し慌てながらも、おいしいものをたくさん作って下さった。当日の教室の様子と、おいしいナポリの郷土料理の数々をご紹介しよう。

▲この日のためにたくさんの料理とレシピを用意して下さった大嶋シェフ

▲アマルフィ地方のパスタ「シャラティエッリ」

▲ピザ職人がピザを作るところを見学。大嶋シェフのアドバイスも

▲一人ひとりピザ生地を成形

▲ソースを塗り具材をのせたら窯の中へ

▲焼き上がりました!

▲生地の周囲の厚みは“コルニチョーネ”と言って、ピッツァの味を左右する大切な部分

▲キッチンでは前菜の準備が

▲おいしく楽しくいただきます!
Impepata〜インペパータ〜
インペパータとは、胡椒風味の蒸し煮のことを言う。イタリア語で胡椒(pepe ペーペ)が転じたもの。とてもシンプルな料理で、ナポリで愛される料理のひとつ。
【材料】
あさり・・・・・・・・・・・500g
水・・・・・・・・・・・・・200ml
ヴァージンオリーブオイル・・適宜
胡椒・・・・・・・・・・・・適宜
レモンスライス・・・・・・・数枚
【作り方】
少量の水と共に貝を鍋に入れ、蓋をして火にかけ、貝の口が開いたら皿に盛り、たっぷりの胡椒とレモン果汁を搾って出来上がり。これがナポリのスタイル。
イタリアンパセリとオリーブオイルをたっぷり回しかけざっと和えるとよりおいしく仕上がる。
*白ワインを先に入れてから水を加えても良いが、主役はあくまで貝そのものの風味。一般的にはムール貝を使用
Sciaratielli〜シャラティエッリ〜
カンパーニャ州の代表的なパスタで、ナポリより南下した、アマルフィ地方の名物。ペコリーノチーズとフレッシュバジルを入れて牛乳で捏ねる、幅広の珍しいパスタ。
【材料】(8個分)
強力粉・・・・・・・・・・350g
卵・・・・・・・・・・・・1個
オリーブオイル・・・・・・15ml
牛乳・・・・・・・・・・・100ml
ペコリーノ・ロマーノ・・・50g
【作り方】
全部を混ぜて、手触りが良くなるまで捏ねる。麺棒で延ばし、幅広にカットしたら出来上がり
Mozzarella in Carrozza〜馬車に乗ったモッツァレラ〜
ピッツェリアでは定番のフライしたサンドイッチの前菜。
【材料】
食パン(薄めのスライス)・・・8枚
モッツァレラ・・・・・・・・150g
アンチョビ・・・・・・・・・4枚
薄力粉・・・・・・・・・・・適量
〈衣〉
卵・・・・・・・・・・・・・1個
牛乳・・・・・・・・・・・・100ml
ドライイースト・・・・・・・2g
薄力粉・・・・・・・・・・・100g
【作り方】
①衣の材料を全部合わせ、ラップをして30分発酵させる
②食パンの耳を切り、縦半分にカットする
③モッツァレラは水気をしっかり切り、1cmの厚さにカットする
④アンチョビを縦半分にカットする
⑤②の食パンの上に④のアンチョビをのせ、③のモッツァレラを重ね、②の食パンでサンドして薄力粉をまぶす
⑥①の衣を付けkて170℃の油できつね色に色よく揚げる
Genovese〜バジルを使わないナポリ風ジェノベーゼ〜
リグーリア州ジェノバの、バジルをペースト状にしたジェノベーゼはとても有名。しかし、昔のジェノバは貧しく、ナポリ人が持つジェノバのイメージは“ケチ”。貧しさの象徴である「玉ねぎ」を使って作ったことから、ナポリのジェノベーゼが生まれたという説がある。
【材料】(5人分)
豚肩ロース(塊)・・・・・・・・500g
玉ねぎ・・・・・・・・・・・・4個
人参、セロリ・・・・・・・・・各1/2本
プチトマト・・・・・・・・・・10個
白ワイン・・・・・・・・・・・100ml
パルミジャーノチーズ・・・・・50g
オリーブ・・・・・・・・・・・10g
ケッパー・・・・・・・・・・・10g
塩、胡椒・・・・・・・・・・・適宜
【作り方】
①人参、セロリはみじん切りにし、玉ねぎはスライスする
②プチトマトを1/4にカットする
③豚肉を8mm角にカットし、塩、胡椒をしてローストする
④③に全ての野菜を入れ、豚肉から出た脂で野菜を炒める
⑤野菜がしんなりしてきたら、鍋の端に具を寄せる。具のないところに白ワインを入れ、アルコールを飛ばし、鍋底の旨味をこそぐようにヘラで混ぜる
⑥水(1L)を加え、2時間ほど弱火で煮込む。水分が無くなってきたら、焦げないように水を加える
⑦とろとろになったら、1/4をミキサーでピューレ状にする
⑧⑦を鍋へ戻し、パルミジャーノ、オリーブ、ケッパーを加え軽く煮込む
Puraruol〜プファロール〜
プファロールはナポリの古い方言で、正式にはペペローニ・イン・パデッラという。
【材料】
赤、黄、緑パプリカ・・・・・・・各2個
玉ねぎ・・・・・・・・・・・・・1個
イタリアンパセリ・・・・・・・・3本
鷹の爪・・・・・・・・・・・・・1本
ニンニク(スライス)・・・・・・・3片分
バージンオイル・・・・・・・・・100ml
ケッパー・・・・・・・・・・・・20g
オリーブ・・・・・・・・・・・・40g
【作り方】
①パプリカと玉ねぎを乱切りにする
②フライパンにバージンオイル、ニンニク、鷹の爪を入れて弱火にかけ、香りを出しておく
③ケッパー、パプリカの順に入れ、強火で炒めるように火を入れていく
④オリーブを加え、蓋をして少し蒸らす
⑤刻んだイタリアンパセリを散らしざっと合わせる
Polpo alla puttanesca〜娼婦風タコのトマト煮込み〜
昼間も多忙な娼婦が、トマトやオリーブオイルなど安く手に入る食材で手早く作った料理と言われていて、「娼婦」を表す「puttana」から由来するという説が一般的。
【材料】(2人分)
タコ・・・・・・・・・・・・・100g
ミニトマト(1/4にカット)・・・・5個
トマト缶(水煮)・・・・・・・・400g
アンチョビペースト・・・・・ 10g
パセリ(みじん切り)・・・・・・20g
ニンニク(みじん切り)・・・・・10g
オリーブオイル・・・・・・・・50ml
ケッパー・・・・・・・・・・・50ml
オリーブ・・・・・・・・・・・30g
鷹の爪・・・・・・・・・・・・1本
【作り方】
①フライパンにオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪を入れて弱火にかけ、香りが出たらパセリの半量(10g)を入れる
*シェフのワンポイントアドバイス
ここでパセリを入れることにより、熱し過ぎるのを防ぐことができる
②水を少し入れ、トマト缶を加えて煮込む
③ぶつ切りにしたタコ、プチトマト、オリーブ、ケッパーを加えさっと煮込む
④残りのパセリを散らす
Palla di riso〜ナポリ風お米ボール〜
ナポリではお米のボールと呼ばれ、イタリア全土では“アランチーノ”(小さなオレンジ)の名称で親しまれているライスコロッケ。家庭で作る場合は、炊きあがったお米を使い、さっくりと混ぜ合わせて作ってもOK。
【材料】(30個分)
〈ライス〉
米・・・・・・・・1kg
水・・・・・・・・1L
塩・・・・・・・・25g
オリーブオイル・・60g
ローリエ・・・・・1枚
〈衣〉
強力粉・・・・・・1kg
水・・・・・・・・1.5L
卵黄・・・・・・・6個
生ハム(ベーコン)・140g
パルミジャーノ・・・60g
モッツァレラ・・・・150g
パン粉(細目)・・・適宜
【作り方】
①ライスの材料を全て合わせ、炊飯する。炊けたら粗熱をとる
②強力粉と水を合わせ、揚げ衣を作る
③①に生ハムを3mmにカットしたもの、パルミジャーノ、卵黄を加えてよく混ぜる
④モッツァレラを5mm角にカットする
⑤③を70gずつ計り、中心にモッツァレラを詰めて丸める
⑥②の揚げ衣に⑤をくぐらせ、パン粉を満遍なく付ける。190℃の油で色よく揚げる
⑦お好みでトマトソースをかける
Zucchine alla scapece〜ズッキーニのスカペーチェ〜
スカペーチェとは、揚げた素材に酸味を加えてマリネしたものと言う意味。夏野菜のズッキーニをマリネに。
【材料】
ズッキーニ・・・・・・・・・250g
ニンニク・・・・・・・・・・1片
ミント・・・・・・・・・・・10枚
白ワインヴィネガー・・・・・35g
バージンオイル・・・・・・・20g
【作り方】
①ズッキーニを縦に5mm厚にスライスし、200℃の油で素揚げする
②ニンニクはスライスして、バージンオイルできつね色になる手前まで火にかけ、ニンニクオイルを作る
③②のニンニクオイルと白ワインヴィネガー、ミントを合わせ、①のズッキーニを浸けマリネする。しばらく置き、味がなじんだら完成
Baba〜ババ〜
硬く焼き上げたカップケーキを紅茶のシロップに浸しやわらかくして食べるデザート
【材料】(6〜7個分)
薄力粉・・・・・・・・・・・・・250g
牛乳・・・・・・・・・・・・・・125ml
塩・・・・・・・・・・・・・・・4g
グラニュー糖・・・・・・・・・・13g
生イースト・・・・・・・・・・・7g
全卵・・・・・・・・・・・・・・38g
卵黄・・・・・・・・・・・・・・25g
バター(常温)・・・・・・・・・・112g
〈紅茶シロップ〉
紅茶・・・・・・・・・・・・・・600ml
グラニュー糖・・・・・・・・・・210g
ラム酒・・・・・・・・・・・・・150g
*アルコールが苦手な方はラム酒を使わず、紅茶だけで作ってもOK
【作り方】
①ボールに薄力粉、牛乳、塩、水、グラニュー糖、生イーストを入れ、パンを捏ねるようにして10分程捏ねる。生地をまとめラップをかけ、1時間発酵させる
②①に全卵、卵黄、バターを混ぜ合わせたものを少しずつ加えて混ぜる
③耐熱性のカップにバター(分量外)を引き、薄く小麦粉(分量外)を振る
④生地を絞り袋に入れ、カップの8文目まで絞り入れ、指に水を付け、生地を平にならす
⑤ラップをかけ、更に30分発酵させる
⑥220℃のオーブンで25分焼き、型から外す。オーブンの温度を160℃に落とし、更に30分焼く
⑦焼き上がったらそのまましっかり冷ます
⑧紅茶シロップの材料を鍋に入れて砂糖を煮溶かし、冷ます
⑨ビニール袋に⑦の生地と⑧のシロップを入れ、袋の中の空気をできるだけ抜き1日寝かせば完成
*シェフのワンポイントアドバイス
真空に近い状態にすると、生地にシロップが染み込みやすくなる
●イタリア料理 Tana La Terrazza (グランフロント大阪南館7階)とは?
▲グランフロント大阪 南館7階
神戸で生まれた小さな店がたくさんの人々に愛され、ピッツェリア・バールへと展開し、7店舗目に大阪に初出店。店内の水槽よりあげるオマールエビやワタリガニ、カウンター前のアイスベッドに並ぶ新鮮野菜、魚介類などの食材は、その場で調理しテーブルへと運ばれる。海辺をイメージした青と白を基調に、清潔で明るい店内でゆったりと食事を愉しめる。
▶店舗情報はコチラ